人工知能のことを英語でArtificial Intelligenceと言います。略してAIと呼びます。近年急速にAIに関するニュースが取り上がられていますが、研究は古くから行われており近年のコンピューターのCPUやHDの処理速度の向上により脚光を浴びることになっています。
AIには2通りの開発の流派があり、ストロングAIとウィークAIに分けられます。前者は初期のAI開発に置いて開発の中心だった技術で、このころの研究は理論的には可能でもコンピューターの性能が追いつかず研究が進まなくなったといいます。1950年代のストロングAIは本当の人工知能の開発であったといいます。そして80年代頃からAI冬の時代と言われほとんど注目されなくなっていました。
その後、2000年代頃からコンピューターの性能が向上するにつれて研究が進展しました。この頃のAIをウィークAIといいます。ウィークAIは機械学習(マシンラーニング)と呼ばれます。統計的手法を用いて機械に学習をさせるAIです。そして機械学習の1分野である深層学習(ディープラーニング)がニューラルネットワークを作り階層を設けることで自ら学習するAIへと進化させることができました。マシンパワーのおかげで7層や8層の階層が作れるほどだといいます。さらにこの技術により、今まではできなかった画像認識が可能となり、AIは眼を持つことになったのです。しかし、学習すると言っても単なる統計による最適化なので、人間のように思考することは全くできず、人間とは別物の知能であると言えます。
これにより、様々な作業が可能になりました。例えば乱雑に散らばったものの中から特定の物を取り出すことができるようになったのです。従来であればコンベアーなどで正確な位置にものを置いてあげることで掴むことができたのですがもうその必要は無くなりました。その技術を応用し自動運転なども可能になります。
レイ・カーツワイル博士の2045問題としてシンギュラリティが話題になっています。人工知能が人間のような知性を持つのはこの頃だということです。
いろんなところで使われているAI
2016年3月に囲碁の世界チャンピオンであるイ・セドル氏をGoogleのAI「AlphaGo」が4勝1敗で勝利したのは衝撃的なニュースでした。2016年にはGoogleの自動運転がトラックと衝突事故を起こしたというニュースもありました。大きなニュースは記憶に新しいところですが、小さなAIはすでに様々なところで利用されています。
ショッピングサイトや関連ニュースアプリ
最も身近な例ではAmazonのホームページにも使われており、自分の購入履歴や似たようなユーザーの履歴から購入する可能性が高い商品をレコメンドする機能などに機会学習が使われています。また、グノシーの関連ニュースをピックアップしてくれるアプリやGoogle検索のランキングアルゴリズムにも利用されています。
会話型音声認識型AI
アップルの「Siri」、マイクロソフトの「コルタナ」、アマゾンエコーに搭載されている「アレクサ」、「GoogleAssistant」が有名です。また、アシスタントボットアプリ「Allo」にGoogleAssistantが使われています。
機会学習の関連ウェブサービスやライブラリ
現在、Amazon「Amazon Machine Learning」やMicrosoft「Azure Machine Learning」のウェブサービスで手軽に利用することができます。
ライブラリでは、GoogleのTensorFlowがオープンソースとして公開されている。プログラミング言語Python/C++から操作することができます。
Chainerも有名で、こちらは日本人の方が開発しているオープンソース。こちらもpythonから操作できる。ホームページは英語です。
CaffeもPython/C/C++で操作できます。
知識があれば個人でも開発ができる環境ができています。
人工知能が作るWebデザイン
The GridではAIが画像を分析しデザインをしてしまうサービスです。まだ一般には公開されておらず限られた人だけに公開されている、開発途中のサービスです。
最適なカラー・レイアウト・サイズなどを自動で作り出し、マルチデバイスへの対応。そしてコンテンツの制作まで行ってしまうというサービスです。月額で利用できるサービスになる様です。
The Grid
また、ホームページ作成ビルダーのWix.comではAIを搭載した新サービスWixADIの提供を開始しています。2017/3/11現在は英語版のみとなっています。
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